テレビやラジオで落語が親しまれ、大看板と呼ばれた一流の噺家たちが芸を競った昭和五十年代。<br />その一人、八代目林家正蔵(のちの彦六)の住む稲荷町の長屋には、傷害事件から恋愛沙汰まで、さまざまな謎が持ち込まれ――。<br />なつかしいあの頃の落語界を舞台に、探偵・正蔵が快刀乱麻を断つ! 洒脱な落語ミステリー。<br />〈特別寄稿〉林家正雀