失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。<br />齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。<br />失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。<br />差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!