その執念深さで捜査一課の名物刑事と謳われた奥田が、退職直後に木曽の宿場町で失踪した。<br />さらに実在しない奥田の娘から捜索依頼の手紙が、十津川警部のもとに届く。<br />奥田の妻も入院先の病院で不審な焼死を遂げ、事件は混迷を深める。<br />奥田の残した写真を唯一の手がかりに、十津川・亀井コンビは、山深い木曽路に赴くが……。<br />〈目次〉第一章 一通の手紙第二章 殺意のバイパス第三章 人間の鎖第四章 夜の死第五章 再び福島宿第六章 対決