曹洞宗の開祖道元は、すぐれた歌人でもあった。<br />良寛や川端康成が愛誦した「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり」も道元の作である。<br />新古今集の歌人・慈円を大叔父に持ち、後鳥羽宮内卿らと親交を結んだ道元にとって、歌を詠むことは自らの人生に欠かせない営為であった。<br />いまに伝わる四九首を、その生涯や思想をたどりながら解説し、鑑賞する。<br />一見平易な歌の中に込められた道元の深遠な思いが浮かび上がる。<br />
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