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花は散っても

土蔵の奥に仕舞い込まれていた時代箪笥、銘仙、そして、謎の写真と3冊のノート――母親離れができない優柔不断な夫・要一郎との生活に見切りを付けるべく、家を出た磯貝美佐、39歳。
東京の下町・谷中で、着物のネットショップ「蔦や」を一人で切り盛りしている。
ある日、実家の蔵を整理していると、箪笥に大切に仕舞われた、祖母・咲子のものにしては小さすぎる着物・銘仙を見つける。
そして、謎の3冊のノートと、見たことのない美少女が写った写真も……。
この少女はどこの誰で、祖母とはどのような関係だったのか? 銘仙の由来と共に興味を持った美佐は、謎を解く鍵を探してノートを読み始める。
自分の好きなようには生きられなかった祖母の生と、好きに選べるはずなのに息苦しい現代に生きる主人公の生が共鳴する、新時代の大河小説。




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