透徹した視線、研ぎ澄まされた文体、凝縮されたイメージ――重厚な歴史小説で知られる一方、短篇を数多く残した吉村昭。<br />その全盛期とも言える『戦艦武蔵』以降、昭和後期までの「中期」に書かれた作品群から、吉村文学の結晶たる十篇を収録。<br />「吉村昭は刺激的で、とても現代的で、いまなお読者を圧倒する力をもつ」池上冬樹(編者解説より)※収録作品鳳仙花休暇苺破魔矢黄水仙欠けた月冬の道飛行機雲鋏月下美人