「てめえに売る魚なんかねえ! とっとと帰れ!」日本橋魚河岸で怒声を浴びた慎介とちはる。<br />振り向くと仲買人の鉄太が仁王立ちしていた。<br />うまい料理とおもてなしで客足を取り戻した旅籠「朝日屋」に対し、鉄太は拭えぬ怒りを抱えていた――(第一話「まことの味」)挫折の味を知る人が笑顔を取り戻す朝日屋、今日も開店! 文庫書き下ろし目次第一話 まことの味第二話 幸せの膳第三話 小さな日輪第四話 一陽来復の朝