文学とユーモアエッセイ、二つのジャンルで人気を博した作家・北杜夫。<br />その一九五六年から六八年の間に発表された作品群から作者自身のセレクトによる全一〇篇を収める。<br />三島由紀夫賞賛の表題作や、「岩尾根にて」ほか初期の純文学作品、SF作品「不倫」、随筆「死」まで多才な作家のエッセンスが一望できる自選短篇集。<br />〈巻末エッセイ〉今野 敏