何者でもない己を変えるため、越えねばならぬ壁ならば越えてみせる!幼き頃に平氏に家族を殺され、自由を奪われた源九郎義経。<br />「平氏以外は人ではない」という世の中に強い怒りを覚えるも、兵の一人も持たない無力さを痛感していた。<br />弁慶、佐藤兄弟、伊勢三郎――九郎の元に集う郎党たちも、己の境遇を恨む者ばかり。<br />やがて訪れた挙兵の時。<br />獣すら降りられぬ鵯越の崖の上で、男たちの叛逆心が燃え上がる。<br />