あきらめた人生の、その先へ――片足の祖父、学校に行けなくなった甥、‘正義感’で過ちを犯したみのり。<br />小さな手にも使命が灯る、慟哭の長篇小説。<br />「今、だれもがスタートを待っている」周囲の人々が‘意義ある仕事’に邁進する中、心に深傷を負い、無気力な中年になったみのり。<br />実家に届く不審な手紙、不登校になった甥の手で、祖父の過去が紐解かれるとき、みのりの心は、予想外の道へと走りはじめる。<br />