蕭々館日録 新装版
大正時代末期。
作家・児島蕭々の書斎には、九鬼、蒲池ら作家仲間や友人たちが夜ごと集う。
蕭々の五歳になる娘、麗子も、岸田劉生の「麗子像」そっくりの恰好で、大人たちの輪の中に加わっている。
益体もない話で過ぎてゆく幸福な時間。
しかし、この時間も、皆が愛する九鬼に色濃く落ちる死の影も、誰にもとどめることはできない……。
芥川龍之介、小島政二郎、菊池寛をモデルに、去りゆく人と終わりゆく時代への愛惜を込めて綴る傑作長編。
泉鏡花賞受賞作。
〈解説〉久世朋子
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