「君はいま何を滑稽だと思っている?」「自分自身です」――僕は何者かからの五百万円と引き替えに、殺人事件の犯人として自首した。<br />そして、17歳の全部を少年院の中で使い果たした。<br />18歳になり仮退院した僕を待っていたのは、卑屈な父親と装飾した街、そして一通の手紙――。<br />誰がなぜ僕を犯人に仕立てたのか。<br />本当の犯人は誰なのか。<br />僕の足は、被害者の家庭へと向いた。<br />