もし殺意があったとすれば、それは……。<br />女が一線を越える瞬間を捉えた表題作、戦中戦後の混乱を背景にすれ違う男女の心理を描いた「傍観者」、悲哀に満ちた男の数奇な運命を追った「ある偽作家の生涯」ほか全九篇。<br />一九五〇年代前半に発表された昭和サスペンスの至宝。<br />文庫オリジナル。<br />〈解説〉米澤穂信【目次】殺意/投網/驟雨/春の雑木林/傍観者/斜面/雷雨/二つの秘密/ある偽作家の生涯
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