南洋のエレアル
太平洋戦争さなかの昭和17年。
日本統治下のパラオ・コロール島。
小学校教員である宮口恒昭の長男・智也はある事件をきっかけに、パラオ人少年のシゲルと親友となった。
だが、父の転勤で智也も隣島へ転校することに。
二年が過ぎ偶然再会したふたりは喜び合うが、戦争の冷たく暗い影は、この長閑な南の島々にも迫っていた――。
時は流れ、昭和63年末。
パラオ共和国独立準備で訪日したシゲルは、天皇の容体悪化が報じられる中、戦後すぐ消息が途絶えた宮口家の人々を捜しはじめるのだが……。
日本人とパラオ人の歴史と心の交流、戦争の悲惨さ、そして日本人の未来(エレアル)を問う、感動長篇。
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