天国の水族館
ある日、妻は僕が可愛がっていた熱帯魚を天ぷらにすると家出した。
「あなたは私のことなんて、まるで分かっていないのよ、だから、私を捜して」妻はゲームを楽しんでいるかのように電話してくる。
雨が降り続く東京の街並みは、青く深い海の底のようだ。
やがて僕は売春クラブ「マーメイド」にたどり着く。
そこでは人間たちが魚のように回遊し、浮遊し、時に互いを捕食し合っていた。
いつか僕達は天からの投網ですくわれ、天国の水族館に迎えられるのか。
喪失と再生の波間で漂うファンタジー&ミステリー。
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