ちびくろサンボ
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80年前アメリカで出版された美しい一冊の絵本。
その絵本は、日本で120万部以上も売れた岩波書店版『ちびくろ・さんぼ』の原書となりました(現在は瑞雲舎より刊行されています)。
ところが岩波書店版は、フランク・ドビアスが描いた印象的なイラストを大幅に改編したものだったのです。
アールデコの流れをくむフランク・ドビアスの力強いイラストは、その多くが一部をカットされ、反転され、合成されました。
なかには収録されなかったイラストすらあります。
そのようなことが起こったのは、イラストを描いたフランク・ドビアスが消息不明になってしまったため、守られるべき著作権が守られなかったこと。
岩波書店が『ちびくろ・さんぼ』を出版した1953年当時は、まだ著作権を重んじる意識が日本で低かったこと。
横書きの絵本がほとんどなかったので、横書きの原書を縦書きにする必要があったことなどが原因です。
当時にしてみれば、しかたのないことだったのでしょう。
けれども、大幅に改編されたがゆえに、『ちびくろ・さんぼ』は原書の持つ味わいを失ってしまいました。
これほど長いあいだ『ちびくろ・さんぼ』を愛読し続けてきたのに、私たちはフランク・ドビアスの描いた本当のイラストを知らないままなのです。
そのうえ、著作権に対する意識がこれだけ高まっている昨今になってもまだ、フランク・ドビアスの絵を真似た、盗作とすら言えるような絵本が出版されています。
長年にわたって私たちを楽しませてくれたフランク・ドビアスに対する深い敬意を込めて、私たちは彼のイラストをできるかぎり忠実に再現。
いまようやく、原書そのままの絵本を世に送りだします。
岩波書店版(瑞雲舎版)には収録されなかった5点のイラストは、日本初公開。
子ども達に伝えたいのは、原書にしかない本物の味わい。
いまは亡きフランク・ドビアスも、きっと喜んでくれることでしょう。
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