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眠りの城の乙女 〜幼馴染の熱い想いが頑なな気持ちを溶かしてくれました〜

目覚めたエマを、美麗な青年が見つめていた。
泣きそうな瞳でほほ笑む青年は、エマの幼馴染ジルにとてもよく似ていた。
年上のエマにプロポーズをした美少年のジル。
彼に夢中な令嬢たちから受けるほのかな重圧と、二人の家格の圧倒的な違いから、恋しい気持ちに蓋をして遠ざけていたあのジルに。
年上になったら結婚してあげる。
そんな無理を言って、エマはジルの求愛をはぐらかしていた。
目の前の青年はジルだと名乗った。
君は五年間眠っていたんだ、君より年上になった俺の、プロポーズを受けてくれるね? と聞かされても、俄かには信じることができない。
そもそもエマは、自分がジルにふさわしいと考えたことなど一度もない。
少しずつ五年前の出来事を思い出しながら、エマは真実に近づいていく--




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