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皇帝陛下の運命の人は、私でした 〜後宮寵愛占い譚〜

皇帝の妃を探している--。
麒帝国一の腕利き占者・紅稟は高官の呼び出しで都へと赴く。
故郷の占者たちは「受難の相が出ている」と不吉な予言。
おっかなびっくり宮殿に登ると、玉座には周囲を圧するすさまじい覇気を放つ男が。
皇祖以来の悲願、大陸統一をついに成し遂げた皇帝・麒董星。
知勇兼備の合理主義者で知勇兼備の合理主義者で「占いなんぞ信じぬ」と言い放つ傲岸不遜な男である。
しかし皇帝の周囲の官吏たちは皇帝にふさわしい妃を真剣に探している。
これはうかつな占いはできないぞ、と気を引き締める紅稟だが、集中した感覚のなかに浮かんだのはなんと……!? 「陛下の運命の相手は私です」と告げるべきなのか? いや、そんなの無理! 悩んだ挙げ句「恐れながら……視えません。
陛下には運命のお相手がいらっしゃいません」と答えると、なんと皇帝本人は愉快そうに笑って言う。
「確かに優秀な占者だな。
その通り、余は誰とも結婚するつもりはない!」 皇帝は上機嫌だし、褒美をもらってこのまま故郷に戻るか? しかし占者としての紅稟の矜持がそれを許さない。
苦しまぎれに奏上したひと言が、紅稟の運命を大きく動かし始めた。




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