ときは南北朝時代。<br />中世特有の宗教心と組織の理論が発達し、人間が人間らしくいることが非常に難しくなったこの時代に、ばさらと呼ばれる一群の人々が誕生した。<br />ばさらとは、規格化・画一化を何よりも嫌い、自己の個性を遺憾なく発揮し尽くした人々である。<br />現代と相通ずる世相を活写し、人間、この世をいかに生くべきかを問う歴史小説。<br />