徳川秀忠と妻お江 江戸三百年の礎を築いた夫婦の物語
「秀忠さまは、当年おいくつですか」お江は淀殿の顔色をうかがうように訊いた。
我ながら(もう負けている)と感じ、みじめな気分になっていた。
「十七歳におなりです」(六歳も年下のお相手。
ましてこちらは三度目の結婚ときている。
なんとまあ……)お江は打ちひしがれて、黙り込んだ──。
信長の妹・お市の方の三女・お江は、幼くして父母を殺されるという悲運を味わう。
そして23歳のとき、三度目の結婚で家康の三男・秀忠に嫁ぐ。
このとき、秀忠が将来二代将軍になるとは、だれもが夢想だにしていなかった。
関ヶ原の戦いでの大失態、大御所家康の院政、春日局との確執……数々の苦難を乗り越え、江戸幕府の土台を築いた夫婦の波瀾の生涯を描く力作長篇小説!。
更新中です。しばらくお待ちください。