嘘
これから少年に嘘をつく――。
主人公は、かつて幼い息子を水難事故でなくした、絵本作家の里谷千紗子。
彼女は父・孝蔵との間に確執があり、長いあいだ絶縁状態にあったが、独りで暮らす孝蔵が認知症になったため、田舎に戻ってしぶしぶ介護をはじめることになった。
ところが、久しぶりに再会した旧友と町で飲んだ帰り道、旧友がひとりの少年を車ではねてしまう。
幸い大きなケガはなかったものの、少年は記憶を失ってしまっていた。
ただ彼の身体に虐待の跡を見つけた千紗子は、少年を自分の子供として育てることを決意するのだった……。
ひとつの‘嘘’によってはじまった少年と千紗子の母子、そして認知症が進行する父親の三人の生活は、豊かな自然のなかで、しだいに新しい家族のかたちを育んでいく。
しかし、そのひとときの幸せな生活にも、やがて破局の足音が近づいてくるのだった――。
新進気鋭のミステリ作家が紡ぎ出す、感動&衝撃のストーリー。
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