我が青春に
‘現代人の「生」をささえているものの原理はなんだろうか。
僕はそれは「欲」だと思う。
だが、真に人生をささえるものは、「情熱」であって、けっして「欲」ではない。
現実の利害得失を無視したこの純粋な情熱によってこそ、人は真に幸福を勝ちとることができるのだと思う。
僕は、小説のなかでは主人公万次のワンゲル(ワンダー・フォーゲル:山登り)と、佐奈江のひたむきな恋愛を通して、現代人が忘れかけている、あるいは軽蔑している、我欲を捨てた、青春の情熱を描いてみたかった。
又、随筆の個所でも、いいたいことは同じで、表現の形式がちがうだけである。
’(「まえがき」より抜粋)小説と青春論が同じ本のなかにはいっている新しい形式の書。
悩める若者たちが夢中で読んだ名シリーズを電子版として復刊。
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