あの作家の隠れた名作
「代表作」ばかりが名作ではない。
作家たちが残した、あまり知られていないけれども極めておもしろい作品の数々。
そこには、書き手の意外な一面や素顔がちらりと顔をのぞかせることも。
裏まで奥まで、丹念に読めば読むほど深まる、小説の愉悦がここにある。
異国の人魚に魅入られた皇帝の退廃と耽美の物語(谷崎潤一郎『人魚の嘆き』)、出生の秘密を抱える妹と兄とその友人の秘やかな三角関係(尾崎翠『無風帯より』)、女の片腕と過ごす奇妙な一夜に漂う孤独なフェティシズム(川端康成『片腕』)、女学生の一人語りで綴られる、自己を超越した自意識(太宰治『女生徒』)、冷感症の美女と精神科医の男の艶かしくも知的な駆け引き(三島由紀夫『音楽』)……。
その他、夏目漱石、萩原朔太郎、芥川龍之介、宮沢賢治、梶井基次郎、吉行淳之介、多和田葉子と、彩り豊かな作家計12人が勢ぞろい。
あなたにとっての名作が、きっと見つかる。
[挿画:宇野亜喜良]
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