寄り道して考える
人に教えたくない店は、表通りより、路地を入ったところにある、などとよく言われる。
それは会話についても言えるのではないだろうか。
一つのテーマに沿って延々と続く議論を聞き続けるのは苦痛なことだ。
路地裏のいい店の喩えではないが、ときに話が本題から反れる。
その話のほうが面白いということはよくあることだ。
本書で御両人が語り合っているテーマそのものは日本文化論に通じるものあり、精神史に通じるものありで、その意味では正攻法の対論である。
しかし、自分の幼児期の体験、青春時代の思い出などを織り交ぜた会話は、知的な漫才のような面白ささえ感じる。
まさに、裏路地の会話、である。
その会話には、示唆にとんだ一言あり、正鵠をついた社会批判ありで、読む者を飽きさせることがない。
こういう会話を知的な会話というのだろう。
ご両人と寄り道しながら、日本人とは何か、信仰とは何かなど、重いテーマを軽く楽しんで見てはいかがだろう。
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