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すべての神様の十月

榎本帆奈は驚いた。
金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。
帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も‘幸せ’を感じたことがないらしい。
なぜなら‘幸せ’を感じた瞬間、死神は……「幸せな死神」。
池内雅人は貧しかった。
貧乏神に取り憑かれていたのだ。
ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら<小吉人生>と称して楽観視していた。
一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない‘理由’があった。
なぜなら雅人が並々ならぬ……「貧乏神の災難」。
人は時に、感謝したり、絶望したり、大事なものを見失いかけたりするもの。
そんな人々の前に現れる神様の「意外な目的」が胸を打つ。
「東京バンドワゴン」シリーズで人気の著者が紡いだちょっぴりひねりを利かせた短篇集。




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