利口な犬、かわいい犬、みっともない犬、気の荒い犬、気の弱い犬…いろんな犬たちが僕の目の前を通り過ぎていった。<br />かれらにはそれぞれ個性があり、できのいい犬もいればできの悪いのもいた。<br />人間と同じだ。<br />しかし一様に共通していたことは、主人に絶対的に従順だったこと。<br />僕もかれらとは真剣につきあった。<br />犬を語ること、それは僕にとって、心の柔らかく純粋な部分で語る自分史でもある。<br />