花ならば花咲かん 会津藩家老・田中玄宰
2013年、会津は大河ドラマ「八重の桜」の影響で、大いに観光客で賑わった。
藩祖・保科正之以来の「家訓」を遵守し、壮絶な鶴ヶ城籠城戦に散る悲劇の藩。
だが、その精神的・経済的基盤の背景には、江戸中期に「中興の名家老」といわれた改革者の存在があった。
田中三郎兵衛玄宰(げんざい)である。
おりしも天明の大飢饉も重なり、借金が膨らんで人心が荒廃した会津藩を、五代藩主・松平容頌(かたのぶ)の厚い信頼のもと、殖産興業・藩風刷新の妙手を次々に断行していく。
殖産興業においては徹底した実態調査をふまえ、焼物産業、漆器産業、清酒の開発、朝鮮人参栽培などを、会津の土地柄に合った形で導入する。
藩風刷新においては、藩校・日新館を創設し、「日新館童子訓」を藩士全戸に配布するなど、あくまで藩祖の訓えへの原点回帰を徹底した。
危機に立つ改革者のあるべき姿を渾身の筆で描ききった長編歴史小説。
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