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最後の御大将 平重衡 義経が最も恐れた男

強大な権勢をふるいながら、やがて急坂を転落するように滅んでいく平家一門。
平清盛というカリスマの死がそれに拍車をかけたが、清盛以下が必ずしも無能な「凡将」ぞろいだったわけではない。
知勇兼備の逸材も確かにいたのであり、その一人が本作の主人公、清盛五男・平重衡である。
平家全盛の時代には、父・清盛の独裁的な政治手法に疑問をいだき、清盛没後は棟梁となった兄・宗盛の器量の狭さに悩みながら、自らはつねに最前線で戦い続けたのが重衡であった。
挙兵した以仁王・源頼政を宇治で破ったのは、わずか25歳のとき。
その4年後に一ノ谷の合戦で源義経に敗れて捕虜になるまで、滅びゆく一門の運命の奔流のなかで、堂々たる武者ぶりを示したのである。
『平家物語』における重衡は、源氏に捕らわれてから斬首されるまでの仏法に帰依する姿が印象的だが、本作では正義感の強い、青年武将らしいさわやかな人間像が提示されている。




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