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ひつじのブルル

――「メェェェー! 【ヒャー、こわい)」。
ひつじたちは、みるみるうちに おなかを まるはだかにされ、こんどは ひっくりかえされ、もう せなかに バリカンが のっています。
毛を かりとられた ひつじの体は 小さくなり、うすいピンクの じはだが まる見えです。
みみずばれのような あとが、いくつも 見えました。
――こんな毛がりの現場を見た、さむがりの子ひつじ‘ブルル’は、毛がりからのがれ、ついには牧場からにげだしてしまいます。
ブルルは牧場の近くの岩山にかくれてくらしますが、2年が過ぎるあいだにどんどん毛がのびて、モコモコになります。
さびしくなったブルルは、こっそり牧場へ帰ろうとしますが……。
子どものころは、こわいものがたくさんあります。
でも、こわいこわいと思いこんでいたものが、実はそうでもなかったという経験もあるものです。
さて、ブルルはどうなるのでしょうか。
未年にぴったりの幼年童話です。




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