わすれものチャンピオン
「保護者会のお知らせ、もらってないわよね」ママの目が三角になった。
ぼくは、いつもわすれものが多くて、クラスのわすれものチャンピオンの座をあらそっているんだ。
ママには、そんなの自慢じゃありませんって、また怒られた。
学校では、前の図工の時間につくったブーメランにクレヨンで色をぬることになっていた。
ところが、ランドセルも机の中も必死で探したけど、クレヨンが見つからない! 先週、真吾先生にクレヨンを忘れないようにって3回も言われたのに……。
しかも、ぼくはブーメランに名前を書き忘れていたから、先生に捨てられそうになった。
クレヨンを友達に借りようとしたとき、となりの席のルミちゃんに見つかって、先生に正直に話した。
今日の朝、新しいスニーカーのことで頭がいっぱいになっていたから、クレヨンのこと忘れてしまったんだ。
わすれものをしたときの焦りや不安、先生に言い出せない時の心情を丁寧に描いた幼年童話。
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