すべては、一人の男が失踪したことから始まった。<br />――関東の裏社会を二分する十四会の会長・今切の足取りが外出先で途絶えた。<br />若頭補佐の君島から捜索の依頼を受けた裏社会専門の探偵・時園は、今切の行方を追う。<br />会長・今切の失踪で得をするのは誰か。<br />関係者らを洗う時園に「今切のものと思われる小指が十四会に届いた」との一報が入った。<br />――男たちの矜持と憎悪、そして哀しき過去が激しく交錯する長編小説。<br />