「水辺の楽校」の所くん
始業式の日。
5年生の教室に6年生が入ってきたかとまちがえるくらい大きな男子、所一真くんがぼくのとなりの席になった。
所くんは一週間もたたないうちに、クラスのみんなから「トトロ」と言われて、いじられるようになった。
所くんは勉強が苦手で、算数や社会の時間になると、ときどき居眠りしている。
いじめっこよりはましだけど、こんな子のとなりの席になるなんて不運だと思った。
そんなある日、所くんが「水辺の楽校」という場所にぼくを誘ってくれた。
水辺の楽校では、草刈りや橋の補修作業などを手伝ったが、所くんは、草花や昆虫について詳しかったし、木登りもすばやかった。
学校ではのんびりしていてからかわれている所くんは、水辺の楽校ではとても輝いていた。
でも、心配していた学校の運動会では、相変わらず失敗ばかりだった……。
子どもたちの自然体験の場である「水辺の楽校」を舞台に、二人の男の子の友情を描いた夏の物語。
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