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新装版 大谷吉継 信義を貫いた仁将

盟友・石田三成との信義を貫き、関ヶ原の合戦で壮絶な最期を遂げた仁将・大谷吉継。
その生涯を描いた感動の長編歴史小説の新装版を電子化! 秀吉に見出され、賤ヶ岳の合戦で戦功をあげた青年期。
越前敦賀城主となり、豊臣政権の奉行として活躍する壮年期――。
「関ヶ原」以前の吉継を克明に描く本書では、秀吉の死後、諸大名が裏切りと日和見に終始するなか、最後まで正義と至誠に殉じた吉継の人柄が浮かび上がってくる。
七月七日、吉継は垂井へもどった。
三成のことは諦めて、会津へ向かうつもりである。
垂井には三日滞留した。
その間も、吉継は何度か佐和山へ使いを走らせ、説得を続けたが、三成の心は固かった。
最後の使いが虚しく戻ったとき、吉継は、(明日は発とう)と決め、将兵にも出発を伝えた。
だが翌朝になると、気持ちも足も動かなくなった。
昼になっても出発できない。
(このまま、三成を見捨てていいのか)絶えず、そんな言葉が追いかけてくる。
(本書より)




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