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宇喜多直家 秀吉が恐れた希代の謀将

斎藤道三、松永久秀と並び戦国の梟雄と称される宇喜多直家。
子の秀家は、後に秀吉に寵され西国を代表する大名に成長する。
その礎を築いたのが直家であった。
本書は、信長の中国攻めの先鋒であった秀吉も恐れたという希代の謀将の、数奇な生涯を綴る長編小説である。
備前国の守護代・浦上氏の重臣であった祖父・能家は、主家をよく守り立てる篤志家であったが、同僚の突然の裏切りによって、一家は離散の憂き目に遭う。
死を前にした祖父に、不甲斐ない父に代わってお家再興を託された直家。
追及の手を逃れるため、彼は備前福岡の地で不遇の少年時代を強いられるが、やがて、生母の執り成しで再び浦上家に仕えることになった。
初陣で功を成し、念願のお家再興を果たした直家は、以後、権謀術数を弄して備前・美作の諸将を倒し、主家をも追放して山陽の要衝の地を制するのである。
不遇の身から一代で大名に伸し上がった男の本懐を、人間味溢れる筆致で描く力作。




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