迷いクジラの子守歌
悩みながら迷いながらも、幸せを求める海の生きものたちの物語。
トビウオのトビィは、いつも思っていました。
なぜ魚なんだろう、つばさがあるのに。
なぜ鳥にはなれないんだろう、こんなに空がすきなのに――。
そして、水にもぐるウミ鵜を見て思うのでした。
鳥なのになぜ空だけにいないのか。
あんなに軽々と飛べる羽をもっているというのに。
そんなある日、トビィたちの群れが船にぶつかりそうになり……。
クジラの子どもはかあさんとはぐれて迷子になってしまいました。
ちょっとしたことで叱られて、かあさんのもとを離れたのがいけなかったのです。
気づいたらまるで知らない海にきていました。
そして、海の生きものたちにかあさんを知らないか聞いてまわるのでした。
「死の女王」と恐れられ、きらわれているホホジロザメ、いつか竜になれると信じ、泳ぎの練習をするタツノオトシゴ、3億年も前から平穏が好きなシーラカンスなど、心に沁みる7つの短編集。
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