領土拡大の野心をみなぎらせ、南下を続けるロシア。<br />戦って、勝たなければ、日本もいずれ植民地化されることはまぬがれない。<br />日露戦争とは、そういう戦争だった。<br />絶対に負けられないギリギリの状況の中で、その陸戦の総指揮をとったのが、本書の主人公・児玉源太郎である。<br />自らの使命に無私の精神で臨むとき、人間はどんな存在になれるか? 私欲のみを追求する今だからこそ顧みるべき、明治人の心を読む。<br />