黒船の影 築地外国方事件始末
下級幕臣の次男坊・藪内耕之介。
剣術は得意だが、喧嘩っ早いのがあだとなって道場を破門されて以来、日々やることがない。
――だが、時は幕末。
浦賀沖にやってきたペリー艦隊によって、日本の世情は一気に騒がしくなっていく。
そして暇をもて余していた耕之介も、ある不思議な尼僧との出会いによって、図らずも黒船騒動の渦中に身をおくことになる。
アメリカ艦隊との交渉に赴く林大学頭を、反対派の襲撃から警護する一団に組み込まれたのである。
三浦半島、矢ノ津坂での待ちぶせ襲撃。
船で江戸に帰還しようとする大学頭一行を追って敵のボートから発射される弾丸。
等々力渓谷に迫り来る六人の男たちの刃。
島の砲台場を乗っ取り、通過するぺリー艦隊を砲撃しようとしている浪人集団。
……次々と、執拗に仕掛けられる攻撃に、耕之介とその仲間は果たしてどう立ち向かっていくのか? 黒船来航を舞台にして若き幕臣が疾駆する書き下ろし痛快時代小説、ここに誕生。
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