天下人である織田信長の寵愛を一身に集めた、美貌の小姓・森蘭丸。<br />しかし彼の母は、信長の宿敵である本願寺に深く信仰を寄せる。<br />主君への忠誠と、母子の絆の間で葛藤する蘭丸。<br />そんな最中に彼は、母の信仰と相容れぬキリシタンの娘を愛してしまった――。<br />複雑な人間関係の綾に悩みながらも、その秀でた才知と克己心で、決して挫けず青春を燃やし続けた乱世の若者の姿を活写する傑作歴史小説。<br />