江戸南町の定回り同心・小暮源四郎は無類の芝居好き、絶対に素顔を明かさない人気女形〈おやま〉・玄之助というもう一つの顔を持つ。<br />いつものように拍手喝采を浴びた芝居の帰り道、源四郎の下に‘殺し’の報が入る。<br />両国橋の袂に無惨に捨てられた若い女の死体――。<br />その懐から見つかったのは、黄金色ならぬ紅色の小判だった……。<br />‘女形同心’源四郎が、事件の鍵を握る小判に秘められた‘怪’に挑む!