木々にさす光 リーリと真也のハートフル・ストーリー
「おじいちゃんのリーリが引っ越しをした。
大きな屋敷を売り払って、ぼくのうちのそばの小さなアパートに住むようになったのだ」一代で築き上げた木工所を倒産で失ったリーリこと井上理一。
60歳半ばの彼は、また裸一貫で出直しをはからなければならなくなった。
しかし、昔のように若いエネルギーはもうない。
何もすることがなくなった毎日で、感じるのはむなしさばかりだった。
そんな日常のなかで唯一の楽しみは、孫の真也と十分に語る機会ができたことだった。
倒産の事情もよくわからない小学五年生の孫と話すうちに、リーリは失いかけていた生きる力を取り戻していく。
また、真也もリーリと語らううちに、パパやママにも話せない真情を伝えるようになっていく。
ある日、顧客からの家具の修理の依頼ハガキを手にしたリーリは真也を助手にしてアフターサービスのために活動することを決める。
……祖父と孫の心の交流を描いた感動の物語です。
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