庭師「室藤」は、薬種問屋から、暴風雨で荒れた庭普請の依頼を受ける。<br />職人たちの世話をする、室藤の一人娘・お紗代はある夜、垣根で隔てられた今は使っていない離れの庭から、子供の声がすることに気がつく。<br />つられて足を運ぶと、そこには真っ赤な鶏頭の花が咲き乱れていた……。<br />家族の確執から遺った念、紛れ込んだあやかしなど、庭に関わる不思議な事件を、お紗代が解決する感動の時代小説。<br />