伊達女
心に鬼を棲まわせた’独眼竜’伊達政宗の周囲には、かくも、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいた――。
我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、そして真田信繁(幸村)の娘・阿梅……伊達の女性を主人公にした連作短編集。
母・義姫――毒を盛ったのは母だと疑っておいでなのでしょう/妻・愛姫――濡れ衣を着せられたまま、殿が平気でおられるとは思いませなんだ/保姆・片倉喜多――本当のことを言ってはならぬ。
言えば、政宗の心は折れる/娘・五郎八姫――私は優しくなどありませぬ。
父・政宗を気に掛ける母を見て育ちましたゆえ/真田家・阿梅――黙っていたこと、ご容赦くださいませ。
ですが、お知りにならぬほうがよかったのです 伊達政宗の言動等から生まれたとされる「伊達男」。
伊達といえば、男ぶりばかりが注目されるが、実は女性こそが素晴らしかった! 各短編で描かれる五人の女性の生きざまを通して、伊達政宗の真の姿も浮かび上がってくる。
『会津執権の栄誉』で直木賞にノミネートされた著者、新境地の最新刊。
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