きらきらシャワー
広矢は、プールがきらいです。
プールがというよりシャワーがこわいのです。
小学校のシャワーは、つめたくて、はげしくて、こわくって、広矢はあの中に入ると、息ができなくなってしまいます。
明日は月曜日です。
プールのことを考えると心が重くなってきて、広矢は公園にでかけました。
公園のすべり台の下には、水たまりがありました。
広矢の手にアリがのぼってきたので振りはらったら、アリは水たまりでおぼれてしまいました。
アリを助けられずにいると、町のリーダーのお兄さんがやってきてアリを救ってくれました。
月曜日、プールが始まると、広矢はまたシャワーの前で一人だけ残ってしまいました。
すると、うちつけるシャワーの中で、葉っぱにのったアリを見つけたのです。
広矢は、きのうのことを思い出しました。
今、アリを助けられるのは広矢しかいません。
広矢は顔をそむけながらシャワーの中に手をのばして……。
心の機微を丁寧に描いた幼年童話。
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