あるじなしとて
律令体制の限界、財政破綻の危機……。
この国を救う――。
たとえ我が名が残らなくとも。
’学問の神様’ではなく’政治家’としての菅原道真に光を当てた、第12回日経小説大賞受賞作家による感動の歴史長編。
文人として名を成し、順調に出世していた菅原道真は、讃岐守という意に反した除目を受け、仁和2年(886)、自暴自棄となりながら海を渡って任国へ向かう。
しかし、都にいては見えてこなかった律令体制の崩壊を悟った道真は、この地を’浄土’にしようと治水を行なった空海の想いを知ると共に、郡司の家の出でありながらその立場を捨てた男と出会うことで、真の政治家への道を歩み出す。
「東風吹かば匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」に込められた道真の熱き想いとは。
菅原道真の知られざる姿を描いた傑作歴史小説。
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