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笹の墓標(小学館文庫)

第二次世界大戦中、北海道のダム建設に駆り立てられ、多くの朝鮮人・日本人の強制連行労働者が犠牲となった。
その遺骨発掘作業は、今も日韓のボランティアの人々の手で続けられている。
本書は、この実話をもとに描かれた社会派推理小説の傑作である。
遺骨発掘作業に参加した神沼公一郎は、その現場で腐乱死体を発見する。
その死体は、故郷を捨て上京した神沼の元恋人の同僚だった。
都会の闇に葬られた若者と交差する時間の闇。
事件の背後に見え隠れする、強制労働という負の歴史に関った者たちの存在。
事件は時空を超えて、現代の暗部を白日の下にさらけだす。




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