秀吉による追及の憂き目から、紆余曲折の末復興した茶道家元・表千家。<br />しかし、七代目如心斎の代、相次ぐ悲報が同家を襲う。<br />茶の湯の求道者としての使命感と情熱を礎に、悲しみと困難を次々と乗り越える彼だったが、唯一、家元としてどうしても果たさねばならない難題を抱えていた。<br />それは、いつの代からか行方不明となっている、祖・利休が割腹の間際に遺した辞世の書「利休遺偈」を探し出すことであった。<br />宿願・家宝奪還は、果たしてなるのか―。<br />