またたび峠(小学館文庫)
江戸。
安政2年。
紙卸商の跡取り息子・ジスケは、6歳の時に奇怪な巨大猫・鮒丸が逃げて以降、運気が下がり続けていた。
周囲の婦女子の目線を奪う眉目秀麗なる男に成長したものの、終には着の身着のままの夜逃げをする羽目に。
橋の袂の川原で死を待つばかりと相成ったジスケだったが、千里眼で名を馳せた塵点寺の謎の和尚に寺男として拾われる。
救われた命、仏門に捧げよう、と日々の勤めをまじめに続けていたが、鮒丸と再会。
ある晩、猫が枕元で告げる。
自分は極楽浄土で普賢大菩薩の孫となる妖怪である。
ただちに一緒に旅に出ろ、と-。
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