〈どうしてもっと楽しく野球をやらせてくれないのか〉高校生活最後の都大会準決勝で、田島光はそう思った。<br />メジャーリーグへ行きたいと初めて考えたのは、そのときだった。<br />光が単身渡米して夢に向かって第一歩を踏み出したころ、父・佐々木幸一はボストン・レッドソックスを日本企業に買収させようと活動を開始していた。<br />大リーグを舞台に夢を追う父と子の成長と葛藤。<br />野茂、吉井、伊良部らの活躍を予見した、長編野球小説。<br />