厳寒の2月末、中央アルプス空木岳で女性2人を含めた7人のパーティが遭難した。<br />テントの中で天候の回復を待ちつづけるが、天候は回復しない。<br />食糧は少なくなっていく。<br />猛吹雪はつづき、捜索隊は近づくこともできない。<br />飢えと寒さに1週間、10日と晒されるうち、彼らの精神は少しずつ異常をきたしていく──。<br />山岳小説の第一人者梓林太郎の長編小説第4作目となる、みずみずしい迫力に満ちた力作だ。<br />