霞沢岳殺人山行
登山者の少ない北アルプス霞沢岳で、顔面を無惨に切り裂かれた死体が発見された。
ポケットにはコスモスの花びらが一枚入っていた。
八日後、遠く北海道警旭川東署から、旭岳で同じように顔面を刻まれて殺された死体が見つかったとの報告を、長野県警豊科署の道原伝吉刑事は受けた。
ポケットには同じようにコスモスの花びらがひとつ。
地道な捜査をつづけるが、連続殺人の輪郭を描けず、被害者に共通することは何も見つけられない。
捜査本部に行き詰まり感が漂いはじめた頃、第三の殺人の報が入った。
宿怨を抱く犯人とは誰か。
そして、殺された者たちに共通する行いとは何だったのか……。
刑事の鬼気迫る執念が、男たちの闇をあぶりだしていく。
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